スキップしてメイン コンテンツに移動

小型スタジオモニター比較試聴テスト2022(比較サンプル動画あり)


はじめ(経緯)


今回作業場で利用するスタジオモニタースピーカー導入のため、

急遽数台を同時デモ試聴させて頂きました。

このご時世、店頭で聞ける機会も少ないと思いますので比較レビューを残したいと思います。


この記事では個人的に勝手な批評や採点を行っております。

配置など様々試しておりましたが環境ノイズ等もありベストではない状況下での比較となります。

この記事を参考にして頂ければ嬉しいと思いますがあくまで極個人の意見です。

ここで書くことを過信や一辺倒に信じずに、

得られる多くの情報の中の一つの意見や感じ方の一つだと認識して頂きたいです。

最終的に気になった機種に関しては、一度ご自身で試聴することをお勧めします。


今回比較レビューを書く私はスタジオ業務音響マニアです。

楽曲の録音・編集編集や整音、配信リリース作品にも携わってきた音響エンジニアでもあります。

工業製品デザイン、モーショングラフィック、平面デザイン等と同等に経験と実績があります。


数年前にはプロアマ参加の世界ミックスコンテストに参加してみまして、

日本人唯一のファイナリスト24名にも選ばれたりと多方面で評価も頂いております。

ちなみにこのコンテストでは歴史的な名盤を手がけるプロデューサー&ミックスエンジニアが審査員で、

Beck、Radioheadなどでグラミー賞の常連であるDarrell Thorp

PrinceやRed Hot Chilipeppes等を手がけてきたSylvia Massy

Lady Gaga、Ariana Grande等を手掛けているJon Castelli等、錚々たる面々でした。(まあ同業の方々なのですが)

ボーカル、アコースティック、エレクトリック、ダンス、ロック、民謡、合唱、ボカロ、ライブ録音編集等、

様々なジャンルの編集経験がございます。

何でもお気軽に相談やご依頼等頂けると嬉しいです。


レビューでは少し掘り下げたことも書いておりますが、

初心者にも経験豊富な方々にもご有用であればうれしいです。



■比較した機種


・YAMAHA MSP5(当社管理施設機材 / 25年前発売の初代MSP5)

・YAMAHA MSP3A

・YAMAHA HS5

・PreSonus Eris E4.5

・PreSonus Eris E7 XT

・EVE Audio SC203

・Neumann KH 80 DSP


■比較に使用した個人持ち込み機材


・Audient iD4 mkⅡ(オーディオインターフェイス)

・TASCAM Portacapture X8(ハンディレコーダー:付属マイクA-B、192kHz/32bit float)

・ISO Acoustic ISO-130(旧型)(テーブルトップスピーカースタンド)



今回利用したオーディオインターフェイスは公開数値は良い機種ですが、

ラインもヘッドフォンも高域寄り傾向の機種です。(通常私個人はRMEや専用DAを使用します)

各スピーカーはスタンドを利用したりしなかったり、

幾つかのデスク上でべた置きにしたり傾けたり離したり近づけたりと、

様々な設置角度と場所を試しました。(比較動画の音だけでは判断しないでください)

壁際からの距離等もいろいろと試しました。

小型機中心に試聴させていただきましたので、

移動先での使用や自宅等でラフな設置なども想定して確認させて頂きました。

さっそくですが、

はじめに私の独断による別々の特徴のおすすめ機種を書いておきます。


 YAMAHA HS5 

  ★高域の再現&定位が素晴らしく低価格帯でありながら高精度。ミックス向き常設作業向け。 


 Neumann KH 80 DSP 

  ★低域が出て音の制動性が良く聞き取りやすい音。移動も可能な大きさで万能機種。 


 PreSonus Eris E7 XT 

  ★広めの環境で常に一定の音量が出せる環境ならば本領発揮できる低コストな6.5インチ機。 




上記が今回お勧めしたいと感じた上位3機種です。

後半に、各機種の採点理由や、有効活用用途などを書いております。

また、これはあくまで私個人の評価です。

良い機種も弱点が無いわけではありませんし、低評価の機種が悪い機種とは言えません。

高価な有名実務モデルでも10点は存在しません。目的と特性が違う為満点は無い評価点です。

また各モデルとも他のサイズのモデルが存在し、それらも特徴は違うので同一視は出来ません。

あくまで今回の目的と機種限定比較での評価です。



各機種の説明の前に、まずは「モニター環境の重要要素」を書いておきます。

これらの要素の認識が、各モニターに対する各自の評価や意見の違いを生む事が多いと思われます。



・再生環境(広さ、部屋の形や配置、部屋の材質、気温・湿度等) 


・配置場所(距離、角度、モニター位置等) 


・心身の体調管理(聞こえ方、感じ方が変わります) 


・再生機器の品質(オーディオインターフェイス、電気環境、使用ケーブル等) 


・再生できる音量・通常確認に使う音量 ・空間容量と音量のバランス   


・扱う音楽ジャンルに不可欠な帯域や音質要素(必要な音域、速度、緻密さ等) 



上記の要素がが聞こえ方や各自の比較評価に大きく影響を及ぼします。

一つ一つを小さな違いと感じるかもしれませんが、

これらがすべて違えば各自の感じ方や評価は大きく変わってきます。

ですので本来のモニター環境構築で最も重要なことは、

自分の必要要素と部屋にあった大きさと出力の機種を選び、可能な範囲で環境を整えることです。

「部屋の環境を整える」の部分は様々な要因が絡むのでここで説明を避けますが、

最低限必要なことは

「両耳に向けて左右スピーカーの距離や角度と位置を整える」事です。

まずはこのクラスを買われる多くの方はここから始めれば良いと思います。


一応今回は「日本の一般的な狭い一室での使用」を想定している試聴環境と評価になります。

動画でのデモ録音も行ってみたので、大まかな環境を記載しておきます。

鉄筋コンクリート造、壁板壁紙あり、4畳程度の畳部屋で録音を行いました。

スピーカー裏は50cm程度あり、間に厚手のカーテンをつるし簡易的な吸音対策をしました。

畳により縦の残響は少ないですが部屋が狭いので壁の初期反射音や共振は結構感じられます。

また、KH 80 DSP等低域量が出る機種では金属の構造物が共振した音も出てしまっています。

Eris E7 XTは元々小音量ではよいバランスにならず高域のスポットも外れていたかも知れません。

天井は一般住宅並みの2.5m位の高さにジプトーン(化粧石膏ボード)です。

台数を考えるとかなり短い試用期間であったためベストのポジションではありません。

レコーダー付属のマイクでの比較音声を収録しました。

悪いマイクではないですが、計測用マイクほど低歪みであったりリニアリティはありません。

各曲は収録時+ラウドネスで揃えています。

大まかな参考程度にご確認ください。



 YouTubeリンク


小型スタジオモニター比較テスト1 各曲切替版


小型スタジオモニター比較テスト2 曲ループ版


本来最適な設定か判断できる時間的余裕が無い中での録音&録画でしたので、

自分としても納得できない面が多い比較動画となっております。




またレビューを書くにあたって、

比較再生で使わせていただいたYoutubeのクリエイティブコモンズ音源以外で

今回私がリファレンス(参考確認用の曲です)として利用した音源を一部記載しておきます。

これらを今回の比較では【 Amazon Music Unlimited 】のプレイヤーアプリを使用して、

パソコンへ曲データをダウンロードしてから再生し試聴しました。



・Jain - ”Makeba” 数年前のフランスのヒット曲。打ち込み系。ミックスが素晴らしい。

 


・宇多田ヒカル -  ”PINK BLOOD” アニメ「不滅のあなたへ」主題歌。マスタリングが良い。

 


・Jazanova - “Take You Back” 音作りが良い20年前の楽曲。一部入るノイズが確認用に最適。

 

・iri - “摩天楼”  低域とVoのノリの聞き分けやズレ感の確認。



・水曜日のカンパネラ - “バッキンガム” Voと各音色や大きく変わる展開時の音響再現の確認。

 


・EGO WRAPPIN” - “かつて…。” 各音の配置と、序盤後ろで微かに鳴るシンバル音の確認。

 


・METAFIVE - “Don’t Move” 音の始まりや、Vo部分の重なり等の聞き分けの確認。

 

・Björk - “Hyperballad” 低音域の音程再現性と、どこまで低域を自然に確認出来るかの確認。

 


・土岐麻子 - “PINK” Vo帯域の高低バランスと音抜けのチェック。ミックスのバランス確認。

 


・Yuta Suzuki - “Desire” 以前私がMix&Masterを行った作品。音色再現とノリの確認。

 


・Jijiart - “Fill the Hole in My Heart” 以前私がMix&Masterを行った曲。詳細と響きの確認。

 

















それでは各機種の評価点とその理由について書いていきます。

評価点は10点満点です。

世の中に10点の機種は存在しませんので、各機種独自の完成度とお考え下さい。


 YAMAHA MSP5(当社管理施設機材 / 25年前初代MSP5) 

















評価点基準機として、まずはこの機種からです。


 採点 / 1点 (基準機として)


評価が厳しいと感じられるかもしれませんが、これが現実的な評価だと思います。

音がしっかりと出音されるというところが評価点となりますが、

現在のモニタースピーカー基準としては1点程度となります。

この音が好きで現在も使われている方々もいらっしゃるかもしれませんが、

このモニタースピーカーをあえてスタジオモニター用として今使う意味は薄いと私は感じます。

黎明期の時代的な設計起因と、当時のパーツ性能、また個体別に劣化も当然起きていると思います。

このMSP5は私自身も発売当初利用していたという経緯もあり弱点を多く感じている機種です。


MSP5はヤマハが大ヒットした白色ウーハーで有名なNS-10M(通称テンエム)以降、

久しぶりに出した本格的モニタースピーカーラインだったと記憶しております。

この初代MSPシリーズ開発当時はまだ3DCADによる物理音響試験も本格導入前の状況だったと思われますし、

コスト優先で設計された「普及が目的の機種」だったのではないかと工業デザイン面でも推測されます。

実際そういった理由なのかわかりませんが

「なぜこんなバランスの音作りとなったのか」理解しがたい面が多いです。

また当時の売値も2本で5万円ほどという安価な機種だったので

ターゲットもミュージシャンや各作業場や商業施設での簡易スピーカーとしての利用が多かったと思われます。

それに加えて当時はまだ個人向けスタジオスピーカーは今ほど選択網はなく、

この価格帯では1wayフルレンジのライブモニター向けのスピーカーの方が多かったです。

パワードのスタジオモニターはごく一部だったと記憶しております。

その後このMSPシリーズも改良が加えられMSP STUDIOシリーズへ進化したり、

高級機やパッシブを主に出していたメーカーも安価なパワードへ参入したり、

国内外各社の多く参入進出が進んでいた記憶です。

小型スタジオパワードが普及するきっかけを作った最初期製品の一つだったと記憶しております。


そういった経緯も踏まえると、現行モニターと比べること自体が難しいとも感じます。

現在の価格や音楽制作環境や作られる楽曲傾向まで含め、設計思想が整わない中作られたものです。

そのため、現在の視点とモニターに求められる音質評価としては1点が妥当だと感じております。


この評価となった最大の理由は

【各音の存在が掴み難い、定位が見えない、高域と低域の質感の大きなずれ】等が主な理由です。


値段や開発時期やアンプの質や方式や経年変化まで考えると無理もなないと感じます。

スタジオモニターと銘打って作られてはおりますが、

派手に鳴る金属ツイーター

その派手さに合わないのんびりと柔らかいはっきりしないウーハー

それに輪をかけて中域を濁らせていると思われるフロントバスレフ

各出音のバランスが破綻して聞こえます。

加えて、当時は搭載アンプの高音質化も難しかったのかもしれません。

そしてそのアンプが内蔵されているにも関わらず、

外観からしてエンクロージャーの奥行きがあまりにも短すぎます。

内部空間がほとんどない設計と思われ、音響的にはかなり無理をした作りだと感じられます。


私自身、当時どうやっても音作りやミックスがうまくいかない…と悩んだ時期があったのですが、

全ての問題はこのMSP5にあったと思っております。それだけモニタースピーカーは重要なのです。

バランスの良いモニターの使用は、様々な再生環境で聞かれる音を平均的に認識しやすくします。

当時は低価格帯で小型で品質の高い2wayパワードモニタースピーカーは存在しませんでしたし、

オーディオインターフェイス等まで含めて個人や小規模では高音質化に限界があったと思います。

そういった経緯や時代背景も理解しつつの厳しめの評価となっております。

勿論後継のMSP5 STUDIOは音は改善されているはずです。(意識した試聴経験はありません)MSP5はテンエムとは意味が違いますが、歴史を大きく動かした機種の一つだとは思います。








 YAMAHA MSP3A 

https://jp.yamaha.com/products/proaudio/speakers/msp3a/index.html


評価点基準機としたMSP5の最新機種の小型版がこのMSP3Aとなります。


 採点 / 3点 


この評価も厳しいと感じられる方は多いと思いますが実際聞いてみての私個人の評価となります。

使う環境で配置スペースが狭く、ネット情報判断で手堅く機材環境揃えたい方や、

小ささを活かして様々な環境へ移動して利用したいと考えているユーザーには良い選択になるかもしれません。


試聴前までは、もう少し帯域バランスや定位感に期待しておりました。

その理由は最近まで同シリーズである前モデル「MSP3」が継続販売されていて、

実際の採用数が多い機種だったはずからです。

継続販売期間が長いということは、それだけニーズが多かったということです。

このMSP3A発売前後当初公開されていた比較動画等もチェックしておりまして、

バックバスレフに変わり本来の形状等もすっきりしたいたので、

MSP3より整ったバランスや分離の良い音質になっているのでは?

という勝手なイメージと期待がありました。


試聴した環境はYouTubeで録音した部屋と普段の作業デスクがメインとなりまして、

必ずしも静寂性や配置場所が完璧とは言えない環境だったと思います。

それにしても小型機に期待していた「高音のカチッとさ」を感じ難い音だった部分は残念でした。

とにもかくにも高音域の音量感は少なめと感じ、全体の音質も柔らかく感じる音でした。

今までの経験的に、小型スピーカーは本体の大きさから配置や角度さえ適切にすれば「カチッ」とする機種が多い傾向がありました。

少し前まで国内では最終モニターの定番機であった超小型の「SONY SRS-Z1」に代表される通り、

上下の端は見えなくとも、小さい発音面を活かし定位感をしっかり聞かせる機種は多いです。

この機種は一般的に安価なリスニング共用の機種に搭載が多いソフトドームツイーターでもなく、

ウーハー径が小さいとはいえバックバスレフという事もあり、

MSP的な音作りだとしても低域は無理をしていない分シャキシャキ子気味良く鳴る軽快な音を期待しておりました。

確かに低域は無理はしておらずスッキリ傾向だったのですが、

MSP5で感じる「中域のあいまいさ」が残っている感じの音だなと感じました。

ただ、大きさ等からもわかる通り、

このモニタースピーカーは私自身が想定しているよりももっと狭く

静かな環境での使用が想定された小音量用のモニターなのかもしれません。


今回借りた他の機種の場合、

通常最低でも50cmから1m以上位の試聴距離が丁度良い機種が多いと感じます。

しかしMSP3の場合はテーブルでノートパソコン脇に直置きし、

スピーカーのほぼ間に頭を持ってくるような

50~30cm程度の至近距離での使用ならば定位やバランスも悪くはないとは感じられました。

ノートパソコンでの楽曲制作や映像編集、また小空間用として作られているのかもしれません。


ですので、この結果は単に今回の試聴環境が影響している可能性がが高いです。

都会の一人暮らしのワンルームや寝室等での小音量利用では本領発揮するのかもしれません。

ただその場合でも、今回デモしたPresons Eris E4.5の方が置き場所さえ許されるなら、

ミックス等音響作業には適していて自然なモニターが可能な機種なのではと個人的には感じております。

また蛇足ですが、ヤマハさんは ”HS3出した方が売れるのでは?” と感じております。

このMSP3Aは、今の時代に出した後継機としてはターゲットが曖昧な機種に感じました。









 YAMAHA HS5 

https://jp.yamaha.com/products/proaudio/speakers/hs_series/index.html




今回、予想に反して「最高の価格対性能」だと感じた機種です。ミックス向けの固い音作りです。


 採点 / 7.5点 


これを聞くまでは、

この価格帯のツイーターでは ” 耳心地の良い音であろう ” という経験則が悪さをして

期待はあまりしていない機種でした。

しかし、このHS5にしろKH 80 DSPにしろ、それらの古い思い込みを吹き飛ばしてくれました。

この価格のドームツイーターでありながら上位金属ツイーターで期待するような制動性と速度で、

今までのこの価格帯の機種では考えられないほど音が固く鮮明です。

音が前に出て各音色が濁ることなく分離し、明確に各楽器を浮かび上がらせるような音質です。


商品情報を見ると下記のような説明があり、実際に質の違いを感じます。


”【 ツイーター】

HS5、HS7、HS8 には新開発の高性能1インチドームツイーターを搭載。高分解能を誇り、

立ち上がりに優れたツイーターは、高域の再生可能周波数をさらに広げています。

また共振を最小限に抑えるよう設計された肉厚ウェーブガイドと合わせることで高域を正確に、

そしてスムースに再生します。

(ヤマハ商品説明ページから引用)


このツイーターの高域再現性を分かりやすく表現するならば、

今までの一般的なこの価格帯のソフトドームツイーターでハイハットの音が再生された場合、

「チ   チ   チ   チ    」

と、まとまった ”金属音が周期的に鳴っているな” 程度にしか聞き取れない各音が

「チッ 。   チー、    チッ。   チー、  」

という感じに、

音の鳴り始めと音の余韻から消えるまでの音の微細な変化を正確に再生してくれる感じです。


この高域の速さと制動力も相まって定位感もこの価格帯では信じられない程高いです。

国内外多くのこの機種のレビューで”音が前面に張り付く”という表現が気になっていたのですが、

たしかに定位感と音の速さから「音が前に配置」される感じはありましたが、

想像していた張り付くような感じを私は感じませんでした。出力側の音質や、やはり各自の環境も関わると考えられます。

経験上精度が高いスピーカーほどスピーカーの前にサウンドステージが表現されやすいのですが、

単に音が前面に張り付く感じではなく、前後にしっかりと奥行きの存在も感じられます。

リバーブの広がりや各音の前後配置や広さなどを苦労することなく簡単に把握することが可能です。

唯一この機種の欠点は、固く早い音作りな為【耳が疲れやすい】事だと思います。


また低音域も十分出ています。さらに低域にある音の存在や鳴りを十分感じられる量が出ています。

音量変化によりバランスが崩れてしまうこともありませんでした。

逆に多くのレビューで7インチや8インチモデルを進める方々が多い事も理解できます。

この固さと速度感を維持しつつ下の帯域まで同時に聞けるなら優位な選択だと想像できるからです。

今回は5インチしか試聴してませんが、環境が許すならHS7やHS8も良い選択になると思います。

ただHS5単体でもかなり低音域の音調や質感は掴める音作りだと感じました。





これにはツイーターと同じく商品説明のウーハーの項目にある通り、


【ウーファー】

HS5、HS7、HS8 専用のウーファーも新規に開発。大型マグネットを採用し、

スムースでレスポンスに優れた高耐入力ウーファーは、いかなる音量においても歪みの少ない、

制動感のある低域を実現しています。

また同時にウーファーリングやバスケットなどの音響部品の再選定、

最適設計を行うことでより輪郭のある低域を実現しています。

(ヤマハ商品説明ページから引用)


とのことですので、

恐らくかなりレスポンスの優れた深い動きをするウーハーなのかもしれません。

音と動きを見る限りではサブウーハーにも近く、

振幅の幅に余裕ある設計なのかな?と感じます。

それが高速なツイーターとのつながりを妨げることなく、

全体的に精度の高い再現性を実現しているように感じられました。


それに加えてこのスピーカーの音を形作っている最大の要因と思われるのが

このサイズと価格帯にしては【分厚く重いエンクロージャーと、その剛性の高さ】だと思われます。

これが余計な振動による音のブレや発音の邪魔をする共振などの発生を防いでいるため、

鮮明な定位と各音色を緻密に確認できる精巧な発音を支えているのだと思われます。

分厚いエンクロージャーの為か振動を抑える意図もあってか、重量も見た目よりは重く感じます。

天板が低域の量感を増幅しやすい重さだと思われるので、デスクに置いて使う際は調整が重要です。

更に固く速い正確な中高音は反射も感じやすいので配置や角度には細心の注意が必要だと思います。

構造的にもエンクロージャーの奥行きはしっかり確保されていると感じます。

MSPと違い、音質最優先で設計されている機種である事がうかがい知れます。


とにかく、今までならばこの値段で聞けるような音質ではない音のモニター機

と個人的に感じております。


ただ、高域寄りで精度やレスポンスの良い固い傾向の音なので、

長時間の使用やリスニングとの共用には向かないと思われます。

重低音感が好きな方や低音中心のジャンル用にも、そういった用途に合う音質ではありません。

サブウーハーを足してもこの高速な音質自体は保持されると思いますので、

デスク等に置き場がない場合は、後々サブウーハーを追加するのも良いと思います。

また、美しい白いウーハーの素材がむき出しでネット等は付属しておりません。

わりと重いこともありますので、出先への持ち運び用途には適さないかもしれません。

※当然ですが使う方個人の自由です。ケース等作れば容易にはなると思います。


低予算で常に定位置においてミックス専用として使うことが前提ならば、

最初に選択網に入れるべき費用対効果がとても高い機種だと感じました。









 PreSonus Eris E4.5 

https://www.mi7.co.jp/products/presonus/eris/





初めて買うモニターとして良いと思います。アンプ側正面で音量や電源操作できる便利機種です。


 採点  / 5点 


サイズなりで無理をしすぎていない低域と、柔らかめですが抜けも感じられる高域で、

中域もバランスよく出る音作りに感じます。リスニングと両立しても使える機種だと感じました。

また小型モニターに多い「片側アンプ」であることと、電源やボリュームが正面だけで操作できるところも個人利用での配置距離を考えると便利だと思われます。

アンプ側のスピーカーのみ重い事は、価格帯を考えると仕方ない部分かもしれません。

その分アンプの入っていない片側は軽いので、簡単な移動や配置変更には有利な面もあります。

また、Bluetooth接続も可能なBTモデルも販売されております。利便性が重要な使い方が想定される場合には、

BTモデルは最終確認にも普段使いにも向いた便利な機種になると思われます。

音質についてはHS5やKH 80 DSPのようなカチッとした音ではなく、

今までのこの価格帯でよく聞くソフトドームツイーターらしい聞きやすい音です。

この大きさと値段に求められる聞きやすい音質と長時間のミックス確認に耐えるモニタースピーカーとして

十分な性能を持っていると感じます。


この機種はじめ口径の小さい機種は、

以前私が個人で導入してしばらく利用していた

「IK multimedia  iLoud Micro Monitor」(以後iLoud MM)とも

比べられ購入検討されている方が多いかもしれません。


少しiLoud MMについても書いておきます。

もしミックスが主な利用目的ならばiLoudよりもErisシリーズが良いと思います。

※完全に私個人の利用目的や音の聞こえ方や用途を想定した独断によるものです。

理由は上でも書いた「無理なく出している低域の音質」と、無理やり音質補正していない自然で聞きやすい値段なりの質の良い音質、そして最後の決め手は「自然な抜け感のある音質」です。

ちなみに個人的にiLoud MMへモニターとして点数をつけるとすると2.5点程になると思います。

勿論iloud MMの場合は小さくとも低域の量感を聞けて、気楽に持ち出し楽しく曲制作等もできます。

楽曲制作や初期のミックスにはノリも大切な事があるので活かせる方も多いかもしれませんが、

iloud MMの最大のマイナス理由は「音質の目が粗く丸い」事でした。

恐らくはエンクロージャーの材質やデザインと根本的な大きさや容量、

またDSPの内部処理解像度や出音までに係るアナログ部分の品質など

設計全てに起因している個性だと予想しております。

量感は感じられても音の輪郭が見えない曖昧な音質に感じておりました。

またiLoud MMは一定の低音までは出るのですが超低域までは出ませんし、

かなり無理をしている為か低音域でも音に芯を感じられません。

そしてDSP段なのかアナログ部の内部ヘッドルーム設計の関係なのか、

低音が多い楽曲では内部でバスレフパーツが共振で歪む場合も多かったです。

そしてDSPの品質が値段なりなのか、iLoud MMの場合高域に抜けも一切感じられませんでした。

これらがミックス目的の場合は、iLoud MMよりもEris E4.5を進めたい理由です。


Eris E4.5に関しては上で書いたようなiLoud MMの私の感じていたマイナスポイントが無く、

「無理をせず帯域バランスも良く抜けも良い」音質なのです。

無理をした力強さや帯域補正は行われていませんが、籠りもなく音の破綻も起きません。

これらの要素はミックスでは重要なポイントになります。

価格と大きさ相応の音質でありながら、操作性と大きさの使い勝手のバランスがこの機種の魅力です。

少しでも置く場所があるなら、iLoud MMやMSP3Aよりも断然こちらをお勧めしたいと思います。

そしてもっと真剣にミックスを行いたい場合はHS5等を選んだ方がよいと思います。








 PreSonus Eris E7 XT 

https://www.mi7.co.jp/products/presonus/eris/





今回比較した他の機種よりも広い環境で、全帯域をバランスよく聞きたい場合おすすめです。


 採点  / 7点 


この大きさのモニタースピーカーとしてはとても費用対効果が高いと思います。

実は一番期待していた製品だったのですが、今回私が想定していた使用環境や音量を考えると

他の機種と違いが大きすぎましたが、それでもこの点数としました。

広くある程度音量が出せる環境であれば、聞こえ方も帯域バランスも最も良く再現されます。

その多くの理由は口径の大きさとエンクロージャー容量による低域再生能力に起因します。


やはり音響機器はデータやYouTube等含め比較データを見聞きした予測や他人のレビューよりも、

実際に自分の作業環境で試す事がとても重要で確実だと思います。(ここの情報も同じです)

全ての音響機器に共通します。

特に入力機器であるマイクや出力機器となるスピーカーやイヤホンは物理変換を行う機器なので、

その場の空間の広さ、壁の材質、配置、音量、出す・録る音等で大きく結果が変わってきます。

音質性能や数字やグラフで示されている仕様よりも重要になることのほうが多いと思います。

個人的に購入を考える場合も、必ず一度実機をデモできる場合はお借りするか、

出来ない場合や慎重に判断したい場合は取り合えず試し購入して確かめるようにしています。

地方在住の方々の場合は大きなハンディですが、逆に音量に関しては有利な場合があると思います。

送料や確認等は必要にはなりますが、可能ならデモや試し購入をお勧めしたいです。


Eris E7 XTの話に戻りますが、

高域はEris E4.5と似て小音量では量感も得難くカチッと感も少ないですが定位や抜けはよく、

しかもツイーター周りのウェーブガイドによりスイートスポットはかなり広いようです。

※今回の動画では高域のスポットから大きく外れている訳ではなく、音量が影響しています。

スポットが広いと長時間のモニターでも耳疲れを起こし難いという優位な点もあります。

また、この6.5インチというウーハー部分とエンクロージャーの大きさにより、

物理的にかなり低い低音域まで余裕のある音質でモニターする事が出来ます。

今回借りた他の機種とは全く別カテゴリーのモニタースピーカーでした。


少し残念だった部分はGAINを中(音量ノブの中間でクリック感があります)

の状態で無音状態でも耳を近づけると聞き取れる程度のノイズが常に聞こえた所です。

これはこの機種で使用が想定される環境と音量の関係もあるのだろうと感じますが、

予想よりも大きめのノイズ量だったので静かな環境では気になるかもしれません。

この機種の仕様想定と思われる2メートルくらいの距離での使用ならば気にならないと思います。

しかし全体が聞き取りやすい音質なので、広い環境でならば最高の機種の一つだと思います。

構造や設計思想による違いもあり、この機種の場合小音量では高域音量は結構少なく感じました。

ある程度の音量を出しながら数人で聞くような場合にも合う機種だと思われます。


少し低域の話を書きますが、低域が出るモニターでは本来の綺麗な中高域の再現も可能になります。

口径が大きなモニターでは低域再現に余裕のある機種が多いわけですが、

口径の大きな機種は最低音域が出せる事だけが優れているわけではありません。

「低域の基音を再生出来る」と中高域の倍音要素が整い、綺麗で癖のない本来の音質になります。

今回の比較動画では他の小型機が「高域がしっかり出ている」ように聞こえるかもしれませんが、

小型機は上の原理が影響して「派手でエンハンス感のある中高域の音質に聞こえやすい」です。

その為、大きい口径のウーハー機は音質的に優れている機種が多いと感じやすい傾向も発生します。

中高域を正確にモニターする為にも低音域はとても重要な要素となります。

口径の大きなE7 XTのようなスピーカーが音量、置き場、近隣環境で導入困難な場合、

サブウーハーの導入も有効な音質向上可能な対策にもなりますのでご検討ください。

サブウーハーはオンオフで切り替えも可能になるので、

都市部等で近隣への騒音配慮策としても有効になります。








 EVE Audio SC203 

https://www.minet.jp/brand/eve-audio/sc203/




小型でも精密な高域ですが低域の量も出ます。USBのみで接続可能、サブウーハーも接続できます。


 採点 / 6.5点 


予想に反して初期設定のままでは、かなり低域寄りで小型モニターに思えない音作りでした。

高域と低域をイコライジングできますが基本的に低域寄り傾向のようで、変化はわずかな感じでした。

パッシブラジエーターが裏側についているので、このサイズにしてはかなり低域感が出るようです。

あくまでも低域感であり、最低域は出ていません。また背面のパッシブラジエーターによる低域の出方も独特に感じる場合がありました。通常のアコースティックやバンド楽曲等の中域中心の楽曲では違和感ありませんでしたが、

例えばYouTubeで使わせて頂いたTell Me That I Can't (Instrumental) - NEFFEXの一部で、

超低域が出ながらローカットフィルターで「ブゥ~~~~~ン」と

歪み感あるレゾナンスのローカットフィルターを徐々に閉じる映画の効果音的音作りの部分があります。

この部分では発音可能な最低周波数帯域までは問題なく低域が出続けるのですが、

パッシブラジエーターの特性でもあると思われますが「急に音が途切れる」ような

低域の鳴り方が時々気になりました。

もし打ち込み系の低域を大切に扱う音楽や音を編集するならば、一度デモ機を借りたり店頭で試した方が良いと思われます。

またそういった用途で利用する際は、

サブウーハーは確実に超低域音を出せますし

倍音構成の音色をつかさどる中高域の音も本来の音色で鳴らせますので、

利用を前提とした方が良いかもです。


上位機種と同種のリボンツイーター(A.M.T)が使われているので少し期待していました。

しかし全体が低域よりの帯域バランスであることや今回の反響や雑音多めな環境が原因かもしれませんが、繊細な高音域をバランスよくモニターする事が難しく感じました。

環境が悪かったのかも知れませんが、ジャストな配置を探すには時間がもっと欲しかった感じです。

今回の環境での試聴使用では、高域がうまく中低域とつながって聞こえてこない印象でした。


私の自宅スタジオでは、

サブウーハーのオンオフができる密閉と半密閉のパッシブモニターを3組使い分けて作業しています。

それは低域を出さずに中高音だけにフォーカスした精度中心のミックスを長時間行いたい事と、

サブとの自然な繋がりを作れることなどが理由で組んでおります。

また数組使い分ける環境を続けている理由は、

サイズの違いと方式(同軸やパワード)等の再生環境での違いを考慮した確認の意味もあります。

これらはミックやマスタリング時の確認でも重要な要素となり得ます。

このSC203の場合も似たような利用が可能かもしれないと考えておりましたが、

予想に反して低域中心の帯域バランスでしたので

個人的には単体利用は難しいと感じました。

サブウーハーの使い分けの点では、優位性や利便性が得られないかもしれません。

またツイーター面積の狭さもあるのかもしれませんが、

私の知るADAM等の他のリボンドライバーとはスイートスポットの範囲や高域の抜け感等、

仕様通り少し性能が控えめという感じは受けました。


この機種で評価できる点は、様々な接続や使用方法が可能なところだと思います。

またこの大きさとこの価格帯でこの音質を実現できている所も良い部分だと思います。

特にUSB接続ができる点はオーディオインターフェイス不要で安定した出音が可能になります。

移動先でも出来るだけ良い音でモニターしたい場合に持ち物も減らせて良いと思います。

専用のバッグもメーカーから販売されております。

そしてEris E4.5ほど操作が単純ではありませんが、

電源のON/OFF含めて音量からEQや置き場所の違いによるポジション設定まで、

全て押しボタン式ノブ一つだけで操作できます。

(普段利用しないと思われる部分の設定はジャンパースイッチでの設定となります)

各モードの解除には10秒長押し等が必要な為、素早い調整が出来ない部分は欠点ではありますが、

ノブ一つと周りのLED表示だけで、すべての操作&確認が可能なところは魅力的な点だと思います。

またこの大きさにしては本体も両側とも同じ重く作られていて音質重視な部分は感じられます。

直接サブウーハーを接続でき、周波数ポイント以下の低域のみを送ることもできるので便利です。

SC203は単体であっても低域まで確認可能ですので、

かなり高精度なミックスは可能だと思われます。

また、音は出せるけれども作業空間に制限がある場合にも良いモニター機になると思います。








 Neumann KH 80 DSP 

https://ja-jp.neumann.com/kh-80-dsp-a-g





今回最も制動力のある出音で、低音感も奥行きも見え、音の引っ掛かりも良い優等生です。


 採点 / 7.5点 


全体的に音の速度と精度が整っていて、なおかつこの機種特有の音があります。

それは癖のようなものではなく、”引っ掛かりがいい”と感じる芯のしっかりとした音です。


今回はスピーカー本体だけお借りしていて使えた時間も多くはありませんでしたので、

この製品の売りの一つでもあるソフト制御や測定マイクでの補正は行えておりません。

現在ノイマンブランドで販売されているモニタースピーカーは、

元々Klein+Hummelというメーカーで販売されていたスピーカーブランドでした。

当時の物の方が見た目のデザイン性は高く個人的には気になっておりました。

Neumannブランド化されてからは丸みが出て外観も少し変わっております。


ちなみにiLoudMM発売後すぐに、KH 80 DSPと比較されている動画を参考にした事ありました。

実際今回聞き、正確な制動力、音や空間の再現性など全て別格でKH 80 DSPが断然優れていました。

低音の質感から中高音の精密な表現力まで、すべての面で基本音質に歴然とした差を感じます。

当時動画を見てiLoudを試し購入した事を反省する程、基本性能が違いすぎる出音でした。

iLoud MMの場合は音がこもる方向の歪み感がありモニター機として不鮮明さも多く感じました。

発売当時は低音感や大きさの部分が近いので、このKH 80 DSPと比較されたのかもしれません。

また、他に見た目も大きさも似ている機種としてGENELECの丸型2ウェイを思い出しましたが、

GENELECの場合はアナログ的歪み感によりディティールを元気に聞こえさせる印象に感じます。

KH 80 DSPの音は精度も制動力も高く音の芯をしっかり聞かせる音質で、それらとは全く別です。


簡単にこの機種の音質を表現すると、

音自体が再生データのまま聞こえるような、実態感と芯があり子気味良く乾いた感じの鳴りです。

HS5では高域寄りに聞こえる音質なので定位やカッチリ感が前面に配置される感じなのですが、

このKH 80 DSPに関しては高域の帯域位相が遅めで聴感的に落ち着いた音作りな事もあってか

HS5と違い少し後ろ側、スピーカーの間を中心に広めに奥行きと左右の空間が広めに聞こえます。

とにかく驚いたのは制動力が高く「音の始まりと終わりが正確に把握しやすい音」である点です。

HS5の場合は音の輪郭やディティールを集中して聞き取れる”モニターらしさ”を感じたのですが、

このKH 80 DSPの場合は音の引っ掛かり自体が全帯域に感じられて「無意識でも各音のニュアンスや存在が耳に飛び込んでくる」ので

聞き逃しが少ない作業環境が構築できそうだと感じました。

加えてHS5ほどスイートスポットが狭くないので比較的楽に正確なモニターが可能です。

ハッキリな音ですが恐らく帯域位相の調整による落ち着いた聴感バランスとなっているので、

長時間作業でも耳の負担は少ないだろうと思われます。

またかなり低音域を感じ取れて、低音量も多めなので大きさ以上に低い音まで感じられます。

実際には口径なりの低域なので打ち込み等で重要となる最低域までは出せていませんが、

バスレフでありながらも低域の淀みや違和感は感じられず、超低音の「感じ」を自然に予測出来る音です。

これが中高域の整った輪郭の音にも貢献していると思われます。


値段差を考えればHS5がこの機種と比べられるポテンシャルを持つことの方が驚きなわけですが、

この機種も現状価格以上の音質であると感じられました。

上でも少し書いたようにデータ自体を聞いていると錯覚するほど各音色を楽に聞き取れます。

また高域は音量が低いわけではなくニュートラルで正確に聞き取れる量が出ています。

低域を強く聞かせるバランスな為”太い音”や”柔らかい音”と感じてしまう場合もあると思われますが、

再生音は固く分離も歯切れも良く、モニターらしい整った曖昧さが無い音です。


自然ですが低域感は強いので置く場所や環境によっては本体設定や配置等で調整の必要があります。

日本の密集した住宅環境で必要な音量を出す場合は低域が邪魔になるとも感じますが、

小音量でも音のバランスが崩れることはほとんどありませんので使える機種だと感じます。

ちなみに、今回Eris E7 XT以外はドライバが小さいことや仕様想定もあと思われますが、

音量差で聞こえ方が大きく変わるような機種はありませんでした。

個人的にはこのKH 80 DSPが今回最も魅力的で、使い勝手が良さそうな機種だと感じました。








 まとめ 


以上が今回試聴した各機種で感じたことや個人的評価となります。


何度も書きますが、あくまで私個人の経験に基づく個人的採点と感想です。

当たり前のことですが個々の機種それぞれ個性があり、

それを有用と感じるユーザーも当然違ってくるものだと思います。

しかし同時に、

同じモニタースピーカーと銘打った機種でも出音傾向がこれだけ違う事も事実です。


可能ならばモニター機含めて複数の確認環境を備える事をお勧めします。


音楽制作ならば好きなスピーカーで好きな音で楽しく進められることは良い事ですが、

ミックスやマスタリング用のスピーカーで考えなければいけない事は


【 聞く側は、自分が確認に使った同じスピーカーや音質では聞いていない 】


という部分です。

「お気に入りのスピーカー1つで済ませたい」と誰しも考えると思いますが、

しかしそれでは確認作業としては不十分となる可能性が高いです。


どんなに高品質モニターでも一つの確認手段での確認精度には限界があります。

音の場合スピーカーやヘッドフォン等含めた複数の確認手段で聞くことが、

多くの人たちに届ける立場での確認としての精度は大きく向上します。

今回試聴した各モニター機でさえ音が大きく違うのですから、

千差万別の試聴環境やリスナーの好みで選ばれる億万の再生機種や組み合わせを考えれば

幾つかの環境で確かめる事の重要性は自ずと理解して頂けると思います。


その複数の確認手段の中で、一組だけでも信頼できるモニター機を使うこと

制作、ミックス、映像の整音、ME作業等でも効率の良い進行を行えるようになります。


そしてモニターを利用する際は、

一定時間利用したら休憩をとり連続での利用は控えた方がよいです。

聴力も脳の判断力も疲れて鈍るためです。


特に楽曲録音や制作目的での利用の場合は、何度も休憩して聞くことが重要です。

連続で耳と思考力を酷使してアドレナリンまで過剰に出た状態で作った音は、

後日聞いてみると良いと思えない事が多くなります。

モニター機は出来るだけ公平な判断を求めるための道具です。

モニターの音の扱いに慣れるまでは出来るだけ休憩を取りましょう。

一般流通している曲と切り替えながら自分の作っている音と聞き比べ等も

自身の公平性と判断基準を向上さるテクニックとなります。

リスニング時間を確保することも重要です。


まずは自分の環境と予算を念頭に置きつつ、

そして出せる音量や音楽のジャンルに必要な要素を踏まえ選ぶことが大切だと思います。


今回のモニタースピーカーの試聴は私自身にとっても良い経験となりました。

今回はデモ機でもあり時間もなかったためあまり正確な比較ではなかったかもしれません。

ご意見や質問、ご指摘等あればコメント頂けると嬉しいです。

また今後も何か比べてほしい機材や記事内容等ありまたらお知らせください。

今回はかなり急となりましたが、デモ機の比較試聴の感想でした。






コメント

このブログの人気の投稿

セキュリティソフトで検出されないウイルス「Emotet(エモテット)」対策

マルウェアEmotetの感染再拡大に関する注意喚起 https://www.jpcert.or.jp/at/2022/at220006.html 2022年2月あたりから急増しているEmotet被害。 多くは、マクロ機能を使ったExcelやWordからの感染のようです。 (詳しくは上記jpcentの記事でご確認ください) 弊社の取引先でも感染被害がありました。 このウイルスの症状を簡単に言うと 、 ウイルスを仕込むマクロ機能がついたエクセル等を開く ↓ 感染 ↓ パソコンの中に入ってるメールアドレスすべてに、ウイルスメールを送信 ↓ 二次被害 となります。 このウイルスの巧妙なところは、 メールの内容が迷惑メールっぽくない ところです。 パスワード付ZIP を添付して送信され、後からパスワードが届きます。 パスワード付ZIPはウイルスチェックできませんので、ウイルス検出ソフトで検出できません。 そのZIPファイルを開き、エクセル等ファイルを開いてから、マクロをONにすると感染してしまいます。 しかし、Gmailなどではきちんと迷惑メールに振り分けられたり、メールアドレスの偽造をおこなっていない(送信している会社のメールアドレスではない)など、わかる人には比較的簡単に見分けられますが、通常の事務員レベルだと見分けるのは難しいです。 先にも記載してあるとおり、文面が巧妙なため、普通に取引先からのメールだと思ってしまいます。 心当たりがある方は、 Emotet感染有無確認ツールEmoCheck(配布サイト) https://github.com/JPCERTCC/EmoCheck/releases EmoCheckの使い方(警視庁) https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/cyber/CS_ad.files/EmoCheck.pdf でチェックしてみてください。

ホームページのセキュリティ対策と負荷対策について「誰にでも分かりやすく」まとめました。

弊社サーバー簡易構成図 今はホームページなどを作成できる個人事業主や会社が乱立し、その弊害としてセキュリティ対策が不十分なWebサイトが多数存在します。 特にホームページを簡単に制作できるWordpressは、Wordpress自体がセキュリティが高くないので、度々標的にされニュースになっています。 セキュリティと負荷対策を混ぜた話となってしまいますが、負荷対策も実はセキュリティと関係しています。 サーバーに負荷をかけ、エラーを吐かせて攻撃する手法も存在するからです。 以下から主なセキュリティ対策と負荷対策、今後のWebの進化など、現時点でまとめたものを、 なるべく誰にでもわかりやすく書きました 。 不明な点があったり、調べてほしい!などありましたら、お気軽にお問い合わせください。 また、弊社では、クラウドサーバー構築からホームページの制作・管理までお請けする事ができます。 是非弊社にお任せ頂ければ幸いです。 1.HTTPS ホームページとの通信を暗号化し、その通信の過程で情報を傍受、もしくは書き換えできないようにする技術です。 http:// で始まるアドレスは暗号化されていません ので、途中で書き換え、入れ替え、傍受など、やり放題です。 暗号化されている通信は、https:// のみです。 https:// のみアクセスするようにする事で、安全性が保たれますし、企業のホームページに至っては、信用を担保できます。 ブラウザ最大のシェアを誇るGoogleChromeでは、バージョン94より、 「 HTTPにアクセスする際は警告する 」オプションが追加されています。 現在はデフォルトではOFFですが、これがデフォルトでONになる予定です。 Chromeだけでなく、他のブラウザでもデフォルトでHTTPを警告するようになっていく流れは一緒です。 ※恐らく最終的には有害サイト同等の評価となると思います。現に、Google検索ではhttpの評価ランクは下げられています。 現在HTTPで作成されているものは、常時HTTPSへの対応が必要になります 。 余談:2021年2月の段階では、Googleなどを含む利用率の高い上位1000サイト中のHTTPS普及率は91%となっていて、HTTPを利用したWebサイトはもはや時代遅れです。 調査対象のWeb全体としては69.6%と低くなって